北海道開拓の歌
元旦に北海道神宮の境内社である開拓神社で、開拓に尽力された人たちの歌を思い出しました。
「胆振日記」(いぶりにっき)は、明治11年、遊楽部、現在の八雲に移住した元名古屋藩士の角田弟彦氏が著したものです。大正初期にかけての貴重な開拓史料とされています。開拓者の心境が込められた数多くの歌が収められています。
ちょうど新年によまれた歌があります。
▷新らしき年を迎へつしら雪のふりにふりぬる荒野への上に
▷年来ぬと何さわぐらんかざすべき梅も柳も松もなき野に
▷やよひまで雪はありともユウラフの野風ぬるまん春をやまて
困難の連続であった日々に、仲間の家で歌の会が長く続いていたようです。移住された人たちにとって、きっと互いの苦労をねぎらい励ましあう大切な時間だったのだと思います。